【事例紹介】地方IT企業が社員の将来支援を見据えて導入。企業型DCが社員自ら活用する福利厚生に

【事例紹介】地方IT企業が社員の将来支援を見据えて導入。企業型DCが社員自ら活用する福利厚生に

IT企業を取り巻く採用環境は年々厳しさを増しており、特に地方企業では人材確保が大きな課題となっています。


さらに、リモートワークの普及に伴い採用ターゲットが広域化したことで、人材獲得競争はさらなる激化を見せています。


このような状況のなか、株式会社ジーネックス様では採用力向上や社員の定着を見据え、福利厚生の充実に取り組んできました。その施策のひとつとして導入されたのが企業型確定拠出年金(企業型DC)です。


今回は、企業型DC(選択制DC)導入の背景や導入時の社内の反応、運用を続けるなかで実感されている効果について、株式会社ジーネックス 代表取締役 柴田様にお話を伺いました。

目次

    課題|リモートワークの普及で地方企業の採用競争は「全国規模」へ

    株式会社ジーネックス様(導入企業)のロゴ

    <抱えていた課題>

    • リモートワーク普及に伴い採用競争への対応や人材確保がより困難になっていた
    • 採用力向上のため、福利厚生を含めた会社の魅力づくりが必要だった
    • 社員の定着につながる働きやすい環境づくりに悩んでいた
    • 社員の将来を見据えた資産形成支援を検討していた

    当社は地方にある小規模なシステム開発会社なので、人材確保は創業以来ずっと大きな課題でした。システム開発業界は仕事も企業も都市部に集中しています。昔から仕事の7〜8割は東京にあると言われているほどです。

    給与などの条件面でも東京の企業の方が有利なケースが多く、地方の企業にとって採用や人材確保は決して簡単ではありません。

    さらにコロナ禍を経て、採用環境は一段と厳しくなりました。リモートワークの普及によって、地元に住みながら東京の企業で働くことが当たり前になったからです。

    以前であれば、家庭の事情などで地元を離れられない方は地元の企業で働くケースもありましたが、今はその必要がありません。東京水準の給与を得ながら地元で生活できるわけですから、人材獲得競争は全国規模へと広がりました。

    こうした状況のなかで、当社では人材確保に向けて福利厚生の拡充をはじめ、さまざまな取り組みを続けてきました。求職者が重視する「会社の魅力」はひとつではないと考えていたためです。

    ただ、福利厚生をひとつ整備したから応募が増える、休日を増やしたから採用できる、といった単純な話ではありません。求職者の方は給与や休日、働きやすさ、福利厚生などを総合的に見て会社を選びます。

    そのため、「この会社は社員のことを考えているな」「働きやすそうな会社だな」と感じてもらえたときに、応募につながるのではないかと考えていました。

    福利厚生の一環として導入したコーヒーマシン

    実際に、職場で美味しいコーヒーを飲めるようコーヒーメーカーを導入したり、お弁当を無料にしたりと、社員に喜んでもらえることは積極的に取り入れてきました。

    企業型DCも、そうした取り組みのひとつとして検討を始めた制度です。

    人材確保の特効薬を探していたわけではありません。会社の魅力を少しずつ高めながら、社員に長く働いてもらえる環境を整えていきたい。その思いが、企業型DC導入の出発点でした。

    導入背景|社員自身で将来への備えを選べる企業型DCに大きな魅力を感じた

    企業型DCを知ったのは、経営者向けセミナーでした。

    最初は「大企業向けの制度」というイメージがあり、当社のような従業員10人前後の会社には縁のない制度だと思っていたのですが、話を聞いてみると、小規模企業でも十分活用できることが分かりました。

    さらに、従業員の福利厚生としてだけでなく、会社の経費を活用しながら経営者自身の資産形成にも役立てられると知ったのは大きな発見でした。

    制度の内容を知るほど魅力を感じ、「これはぜひ導入したい」という思いから比較的早い段階で導入を決めましたね。特に魅力的だったのは、社員自身が掛金や運用商品を選択できる点です。

    当社では以前から中小企業退職金共済制度(中退共)に加入しています。中退共は会社が掛金を負担する制度ですが、掛金は会社が一律で決めるため、社員一人ひとりの「掛金を増やしてほしい」というニーズを反映することは簡単ではありません。

    また、中退共の掛金は給与明細に反映されないため、将来に向けた積立を実感しにくい側面があります。

    一方、企業型DCは、自分で掛金を決めることができます。将来に向けてしっかり積み立てたい人は掛金を増やせますし、今の生活を優先したい人は無理に積み立てる必要はありません。

    会社が一律に決めるのではなく、それぞれの考え方に合わせて選べる点は、中退共とは異なる魅力だと感じました。

    もし私が社員の立場なら、中退共などで会社に積み立てを任せるよりも、自分でお金の使い方を決めている実感を持てる方が良いと感じるかもしれません。お金の使い方や将来への備え方は、本来個人が選択して決めるものではないかと考えているからです。

    人によって価値観やライフステージは異なります。子育てや住宅購入などで出費が多い時期もあれば、将来に向けて積極的に資産形成を進めたい時期もあるでしょう。

    そうした違いに合わせて、それぞれが自分に適した選択をできることに大きな価値を感じました。

    企業型DCであれば、社員一人ひとりに選択肢を提供できます。会社としては給与をしっかり支払いながら、資産形成の機会も用意できる。その考え方が当社には合っていると感じました。

    企業型DCを導入した、株式会社ジーネックスで働く社員の様子

    このように企業型DCに魅力を感じた背景には、個人的な思いがあります。

    当社は社員の定着率が高く、10年、20年と長く勤めてくれている社員が多くいます。長く働いてくれていることは本当にありがたいことですが、それだけ年齢を重ねているということでもあります。

    これから先の人生を考えたとき、公的年金だけで十分な生活ができるとは限らず、会社が将来何千万円もの退職金を約束できるわけでもありません。

    だからこそ、社員には早い段階から資産形成に関心を持ち、自分自身の将来に備えてほしいと考えていました。

    また、会社というものはいつどうなるか分からないものだとも思っています。もちろん会社として今後も事業を続けていくために努力していきます。

    ただ、経営者としては「会社があるから大丈夫」と考えるのではなく、自分自身でも将来への備えを持っておくことが大切だと思っています。

    企業型DCは、社員が資産形成を始めるきっかけをつくれる制度です。税制面のメリットもありますし、将来に向けた準備を無理なく続けられる仕組みでもあります。私自身、その点に大きな魅力を感じました。

    導入の決め手|小規模企業でも安心して導入できるサポート体制

    導入にあたっては、インターネットで複数社に資料請求しました。

    ただ、当時は制度そのものについて勉強している段階だったこともあり、各社の違いを細かく比較して選んだわけではありません。

    そのなかでSBIベネフィット・システムズは対応が丁寧で、安心して相談できる印象がありました。「ここなら任せられそうだ」と感じ、比較的早い段階で依頼を決めたことを覚えています。

    実際、導入時には社員向け説明会で活用できる資料や動画を提供していただき、スムーズに制度をスタートできました。

    現在も退職時の手続きなどで問い合わせることがありますが、その都度丁寧に対応していただいています。導入時から現在に至るまで、サポート体制には非常に満足しています。

    制度導入後の変化|予想以上の反応があり、社員自ら活用する福利厚生になった

    株式会社ジーネックス様(導入企業)のロゴ_2

    企業型DCの導入後は、予想以上に多くの社員が積極的に活用してくれています。

    制度導入後は、理解してもらうための社員向け勉強会を実施しました。SBIベネフィット・システムズから提供された資料や動画を活用しながら、制度の仕組みやメリットへの理解を深めてもらいました。

    その際に私が一番強調したのは「やりたくない人はやらなくていい」ということです。

    企業型DCは掛金を拠出せず、全額を給料として受け取ることもできます。会社が強制的に積立させる制度ではありません。

    掛金を拠出した場合も、給与明細の内訳が変わるだけで、大きく手取りが減るわけではないことを丁寧に説明しました。

    また、経営者として制度への加入を促すというよりも、「人生の先輩として、将来のことを少し考えてみてもいいのではないか」という気持ちで話すよう心掛けました。

    正直なところ、導入前はここまで利用されるとは思っていませんでした。「とりあえず数千円だけ掛けてみよう」という社員が多いのではないかと考えていたのです。

    ところが実際には、加入者数も想像以上でしたし、掛金も予想より高い水準で設定する社員が少なくありませんでした。

    制度を前向きに受け止めてもらえたことは、良い意味で期待を裏切られた部分です。

    現在も高い掛金で継続している社員がいますし、子どもの進学などで出費が増えたタイミングで掛金を減らしたり、余裕ができたタイミングで増やしたりする社員もいます。

    ライフステージの変化に合わせて掛金を調整しながら利用している様子を見ると、それぞれが自分事として資産を形成し、制度を自分なりに活用してくれていると感じます。

    また、運用成果は相場環境にも左右されますが、当社の場合は導入後に世界的な株高が続いたこともあり、株式を含む商品で運用している社員の資産は順調に増えているようです。

    その様子を見て、当初は様子見をしていた社員が後から加入するケースもありました。投資や資産形成にあまり関心がなかった人にとっても、「少しやってみようかな」と考えるきっかけになっているのではないかと思います。

    採用面については、企業型DCだけで劇的な変化が生まれるものではないと考えていますが、「従業員10名ほどの会社でも、社員の将来や福利厚生について真剣に考えている会社なんだ」というメッセージにはなっているのではないでしょうか。

    実際に導入後には新たな社員の入社もあり、定着率も引き続き高い水準を維持しています。

    企業型DCが入社の直接の決め手になることは少ないかもしれませんが、会社を選ぶ際のプラス材料のひとつとして評価していただけているのではないかと感じています。

    企業型DCが選ばれる理由|小規模企業こそ企業型DCの導入を検討する価値がある

    株式会社ジーネックス代表取締役 柴田様が企業型DC導入の効果について語る様子

    率直に言って、企業型DCを導入したからといって採用や定着が劇的に変わるとは言い切れません。

    ただ、社員に対して「この会社は自分たちの将来についてもしっかり考えてくれているな」というメッセージにはなると思います。

    また、求職者に対しても「規模は大きくないけれど、福利厚生を含めて働く環境づくりに力を入れている会社だな」という印象につながるのではないでしょうか。

    企業型DCは、そうした会社の姿勢を示す取り組みの一つとして十分価値があると感じています。

    また、導入コストについても、小規模企業だから難しいという印象はありません。もちろん一定の費用はかかりますが、企業が独自に大掛かりな福利厚生制度を整備することと比べれば、現実的な負担の範囲で導入できる制度だと思います。

    私自身、企業型DCは社員だけでなく、経営者にとってもメリットのある制度だと感じています。

    例えば、当社も加入している中退共(中小企業退職金共済)などは主に従業員向けの退職金準備としての意味合いが強いですが、企業型DCは経営者自身も加入して将来に向けた資産形成ができるという明確な違いがあります。

    さらに、会社の状況に応じて掛金を調整できる柔軟性もあります。

    正直なところ、私は経営者として「会社がずっと同じ形であり続ける」と決めつけないようにしています。もちろん、会社として事業を継続し、社員が安心して働ける環境を守るために最大限努力していきます。

    ただ、大企業であっても大きな環境変化によって経営が揺らぐ時代です。当社のような小規模企業であれば、なおさら将来に何が起こるかは分かりません。

    だからこそ、会社にすべてを頼るのではなく、社員一人ひとりが金融や資産形成についての知識を持ち、自分自身の将来に備える力を高めてほしいと考えています。

    企業型DCは、そのきっかけをつくる制度として非常に有効だと感じています。

    私自身導入して良かったと感じていますし、以前の私と同じように「企業型DCは大企業向けの制度ではないか」と考えている小規模企業の経営者にも、一度検討してみる価値は十分にあるとお伝えしたいですね。

    最後に

    株式会社ジーネックス様では、採用競争が激化するなかで会社の魅力向上を図るため、企業型DCを導入されました。福利厚生の充実だけでなく、社員が自ら将来に備えられる環境を整えたいという思いも導入の背景にありました。

    導入後は、多くの社員が制度を活用し、ライフステージに応じて掛金を調整しながら資産形成に取り組んでいます。投資や資産形成に関心を持つきっかけにもなっており、社員自ら活用する福利厚生として定着しています。

    企業型DCは、社員のためだけでなく経営者自身の資産形成にも活用できる制度です。企業規模を問わず導入しやすく、社員と会社の将来を考えるうえで有効な選択肢のひとつと言えるでしょう。

    また、株式会社ジーネックス様のように、従業員数10名規模の中小企業も企業型DCを活用すれば、福利厚生の充実や従業員の資産形成支援に取り組むことができます。他の企業ではどのように活用されているのか気になる方は、ぜひ導入事例集をご覧ください。

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    本記事は一般的な情報提供を目的として作成しています。掲載内容については正確性・完全性を保証するものではありません。
    また、本記事は法律・会計・税務上の助言を行うものではありません。具体的な取扱いについては、各専門家にご確認・ご相談ください。
    掲載している事例は一例であり、すべての企業に同様の効果を保証するものではありません。 本記事の内容は作成時点の情報に基づいており、法改正等により内容が変更となる場合があります。

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