医療業界では、人材不足の深刻化を背景に、給与だけでは差別化が難しくなり、福利厚生を含めた働きやすい環境づくりが重要になっています。
そうした状況のなか、熊本県熊本市で整形外科クリニックを運営する医療法人 竹下外科整形外科医院様では、社員の将来を支える福利厚生として企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入されました。
今回は、企業型DCを知ったきっかけや導入の背景、制度設計で重視したポイント、導入後に感じた社員の変化について、理事の竹下様にお話を伺いました。
課題|社員が安心して働き続けられる職場をつくりたかった
<抱えていた課題>
- 福利厚生を充実させ、職場としての魅力を高めたかった
- 社員が将来に向けた資産形成を始められる環境を整えたかった
- 医療業界において長期的に働き続けられる職場づくりを進めたかった
- 自院の状況に合わせた柔軟な制度設計ができる福利厚生を探していた
当院では、以前から「従業員にとって少しでも働きやすいと思ってもらえる職場づくり」を大切にしてきました。
医療現場は専門性の高い職種が多く、人材の採用や定着は医院経営を左右する重要な要素です。
そのため、給与だけでなく福利厚生も含め、安心して長く働ける環境を整える必要があると考えていました。
一方で、従来の退職金制度には課題がありました。勤続年数が長くなるほど医院側の負担が大きくなるだけでなく、医療職ならではの専門性や資格の違いを制度へ反映しにくい仕組みだったからです。
例えば、正看護師や理学療法士は資格取得までに長い勉強期間と相応の投資が必要になりますが、相談員や准看護師、事務職などは役割やキャリア形成のプロセスが異なります。
それにもかかわらず、勤続年数だけを基準に退職金を積み立てる仕組みでは、本当の意味で公平とは言えません。
資格取得の難易度や職種ごとの専門性も考慮した、納得感のある制度を整えたいという思いがありました。
さらに、採用競争が激しくなるなかでは、クリニックでも大病院に引けを取らない福利厚生を整えることが欠かせません。
従業員の将来まで支えられる制度があれば、安心して働ける職場づくりにつながるだけでなく、採用時の大きなアピールポイントにもなりますよね。
人材の確保と定着を見据えたとき、「福利厚生の充実」は避けて通れないテーマでした。
導入背景|退職金制度の見直しをきっかけに企業型DCを検討
企業型DCを知ったのは、娘が就職した会社で企業型DCが運用されており、その投資商品について相談を受けたことがきっかけです。
そこから「福利厚生として非常に魅力的な制度だ」と感じ、自院にも導入できないかと考え始めました。
ちょうどその頃、当院でも退職金制度の見直しを検討していました。ただ、従来の制度から移行するにあたっては、従業員にも医院側にも不利益が生じない形にしたいという思いがあり、制度設計について専門家へ相談することにしました。
その際、知人を通じてSBIベネフィット・システムズさんを紹介していただきました。
現行制度とのバランスを考慮しながら医院に合った制度を設計できると伺い、相談を進めることにしました。
導入の決め手|医院の実情に合わせた制度設計と専門家の伴走支援が決め手
企業型DCの導入を決断できた最大の理由は、SBIさんに当院の実情に合わせた制度設計を提案していただけたことです。
制度設計の打ち合わせでは、資格取得までに必要な期間や専門性、役割の違いなども踏まえながら、職種ごとに掛金額へ差を設けるオーダーメイドの仕組みを検討していただきました。
こうした柔軟な制度設計によって、医院として納得できる福利厚生制度を実現できたと感じています。
また制度設計だけでなく、導入までのサポートが非常に手厚かったことも大きな安心材料でした。
退職金制度からの切り替えでは、就業規則の見直しや各種手続きに加え、従業員への説明も必要になります。
投資という言葉に抵抗を感じる職員もいたため、元本確保型の商品を含めながら制度の仕組みを丁寧に説明していただき、不安なく導入準備を進めることができました。
さらに、導入後も相談しやすい体制が整っていたことも心強かったですね。制度を導入して終わりではなく、運用面も含めて継続的にサポートしていただける安心感がありました。
加えて、SBIさんは運用商品の選択肢が豊富であることも魅力でした。
導入当初は希望していた商品がラインナップにない場面もありましたが、利用者の声を反映して商品が追加されるなど、サービスを継続的に改善する姿勢にも信頼感を持っています。
制度そのものだけでなく、安心して長くお付き合いできるパートナーだと感じられたことも、導入を後押しした理由の一つです。
制度導入後の変化|導入をきっかけに従業員の資産形成への意識が向上

企業型DCを導入した当初は、制度を十分に理解できず戸惑う従業員も少なくありませんでした。
とくに投資に馴染みのない職員からは、「何のことか分からない」という反応もあり、制度を浸透させるまでには時間が必要だったと思います。
そこでSBIさんに従業員向けの勉強会を複数回開催していただきました。
制度の仕組みや運用方法を分かりやすく説明していただいたことで少しずつ理解が深まり、自ら運用について考える職員が増えていきました。
導入後は、運用方法について積極的に質問する職員や、掛金を増額する職員も現れています。
なかには医院が設定している上限額まで拠出している職員もおり、制度を前向きに活用している様子がうかがえます。
また、「投資についてもっと学びたい」という声を受けて院内で勉強会を開催したところ、有志の職員が参加するなど、自ら学ぼうとする姿勢も見られるようになりました。
企業型DCは福利厚生制度であると同時に、金融リテラシーを高めるきっかけにもなっていると感じています。
医院としても、制度導入の効果を実感する場面が増えています。実際に、大病院から転職してきた職員から「クリニックでも企業型DCがあるのですね」と驚きとともに歓迎されることがありました。
以前の勤務先で加入していた企業型DCをそのまま移換できたことで、安心して入職できたという声もいただいています。
福利厚生の充実は、既存職員の満足度向上だけでなく、採用面での差別化にもつながる取り組みだと感じています。
企業型DCが選ばれる理由|従業員の将来と医院の成長を支える制度だからこそ選ばれる
企業型DCは、単に退職金制度を見直すための仕組みではなく、従業員の将来を支える福利厚生として大きな価値があると感じています。
とくに若い世代にとっては、入職した時点から資産形成について考えるきっかけを得られることが大きなメリットです。
投資は短期間で成果が出るものではなく、長期的に積み立てることで効果を発揮します。そのため、社会人になった早い段階から制度を活用できることは、20年後、30年後に大きな差につながると考えています。
また、企業型DCは福利厚生の充実を図るだけでなく、採用や人材定着の面でも大きな強みになります。
企業型DCを継続できる環境があることは、転職先を選ぶ際の安心材料になり、採用時の差別化にもつながっていると感じています。
これから人材確保がますます難しくなる時代だからこそ、給与だけでなく将来まで見据えた福利厚生を整えることが、企業や医療機関に求められているのではないでしょうか。
従業員に安心して長く働いてもらえる環境づくりと、医院の魅力向上を両立できる制度として、企業型DCは十分に導入する価値があると考えています。
最後に
竹下外科整形外科医院では、退職金制度の見直しをきっかけに企業型DCを導入し、医院の実情に合わせた制度設計のもとで運用を進めてきました。
その結果、従業員が将来の資産形成を考えるきっかけが生まれ、福利厚生の充実や職場環境の向上にもつながっています。
企業型DCは、単に退職金制度を置き換えるための仕組みではありません。従業員の将来を支えながら、企業としての魅力や信頼性を高められる福利厚生制度です。
長く働きたいと思える職場づくりを目指す企業にとって、企業型DCは有力な選択肢の一つになるのではないでしょうか。
本記事は一般的な情報提供を目的として作成しています。掲載内容については正確性・完全性を保証するものではありません。
また、本記事は法律・会計・税務上の助言を行うものではありません。具体的な取扱いについては、各専門家にご確認・ご相談ください。
掲載している事例は一例であり、すべての企業に同様の効果を保証するものではありません。
本記事の内容は作成時点の情報に基づいており、法改正等により内容が変更となる場合があります。
